3勝役・駿河太郎
インタビュー

するが・たろう
1978年6月5日、兵庫県生まれ。2003年、ミュージシャンデビュー。'08年より俳優活動も開始。出演作に、映画『FLOWERS』『SP 革命篇』。来年、出演映画『荒川アンダーザブリッジ』公開予定。NHKでは、大河ドラマ「龍馬伝」への出演が記憶に新しい。
念願の朝ドラ出演
朝ドラには、以前から出演したいと思っていました。なぜなら年配の方々にも見ていただけるから。僕自身おばあちゃん世代が大好きで、接しているだけで幸せな気持ちになるんです。しかも、自分で言うのもなんですが、おばあちゃんたちの懐に入るのも得意なほうで、マネージャーに「俺の顔、朝ドラ顔やと思うんやけど」と話していたくらい(笑)。
勝役の面接を受けたとき、その思いがさらに強くなりました。今思えばあのとき演じたのは、第6週で勝が糸子と初めてちゃんと話すシーン。わずかな場面でしたが、とても魅力的な脚本だなと感じたんです。しかも勝という男が、とにかく「ええ人」。昭和初期に、女の人のことをこれほど気にかけられる男って少なかったと思うんですよね。そんな世間の“常識”なんか気にせずに女性に気遣いできる男っていいなあと感じて。「ぜひ、勝役を演じたい」と思っていたので、決まったときはめちゃくちゃうれしくて、渋谷のど真ん中で思わず大声あげてしまいました。

勝役の面接で演じた、第6週で勝と糸子が初めて語り合う場面。
改めて脚本を通して読んでみると、勝と自分には共通点がかなりありました。マイペースな部分とか、好きなことにまっすぐな部分とか。そもそも、僕も糸子のような女性がタイプなんですよ。彼女のように自分をしっかり持った人に引かれてしまうんです。ただ違うところは、糸子を応援したい、寄り添いたいと思っている勝に対して、僕は守ってあげたいと思うだろうなということ。勝より、若干男っぽいのかな。
糸子と勝夫婦のいいところって、お互いが無理せずマイペースでいられるところやと思います。一見すると、勝は糸子の手伝いばかりで、自分のやりたいことをやれてないように思えますが、そうではない。勝もテーラーの仕事をやめたわけではないし、「いざ自分にやりたいことができたら、糸子も自由にさせてくれるやろ」くらいに思っているんやと思います。引くところは引いて、寄り添うところは寄り添う。お互い器の大きい夫婦なんやと。
勝は「ええ人」では
終わらない!?
今週、勝の浮気疑惑が浮上します。僕自身、勝は最後までええ人で居続けるんやと思っていたので、第10週の脚本を読んだときには驚きました。役者・駿河太郎としては「ええ人で終わらせてくれよ!」と思わなくもないですけど(笑)、やはり「なるほど、(脚本家の)あやさん面白い!」という思いのほうが強かったです。きっとこの一件をクッションに、糸子がますます弾けていくんやろうと思うんです。楽しみですね。
こんな面白い脚本と出会えたことはもちろん、糸子役の尾野真千子さんや善作役の小林薫さんなど、長年お芝居をやってこられた方々と共演できて本当にありがたいと思っています。アドリブが必要な場面になると、皆さん心から楽しそうに演じてはるんですよ。それが、うらやましくてうらやましくて。個人的には仲間に入りたいんですけど、入ったところで何もできないことはわかりきっているのでグッと我慢してます。皆さんのように演じることと楽しむこと、両方ができる役者に早くなりたい。とても大きな目標ができました。
ことし2011年は、大変なことがたくさんあった年。ですが、この作品を見ていただければ、ちょっと笑って、ちょっと泣いて、そしてあったかい気持ちになれると思います。ぜひ今後も見続けていただけたらなと思います。

「父親の温かさのようなものが出せたらいいなと思って、子どもとのシーンでは意識して演じています」(駿河)
撮影(駿河太郎)/川口俊介
ヘア&メーク/池田由紀子
スタイリスト/津島彩
衣装協力/デニム研究所 BIG STEP店(シャツ)、TÊTE HOMME(インナー)
