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連続テレビ小説「おひさま」
第25週「母の笑顔」

2011/09/16up

4今宵、岡田さんと。
最終回 串田和美

連続テレビ小説「おひさま」の
脚本家・岡田惠和(よしかず)が、俳優やクリエーターを
ゲストに迎え、青春を彩った音楽などについて語るラジオ番組
「岡田惠和 今宵、ロックバーで ~ドラマな人々の音楽談義」を
ダイジェストで紹介!
今回は、「おひさま」で陽子の義父・道夫を演じる串田和美を
ゲストに迎えて語り合った。

岡田惠和 今宵、ロックバーで  〜ドラマな人々の音楽談義〜9/5放送分より 最終回 串田和美

岡田8月下旬に「おひさま」の撮影は終了しましたが、振り返ってみていかがでしたか?
串田本当に楽しかった。半年間という長い期間なので、“ドラマを作る”というより“ドラマの世界を生きる”という感じでしたね。舞台だと、あらかじめ物語の展開がわかっているけど、“朝ドラ”はわからない。僕にとっては、何とも新鮮な経験でした。
岡田そういうものなんですね。演出や脚本を手がけるなど、作り手の立場にもいる串田さんとしては、演じながらも先の展開を予想されるものなんですか?
串田始まったばかりのころは考えていましたが、途中からは考えなくなりました。台本を読むときは、道夫本人になった気分で、自分の少し先の将来を知るような感覚でしたね。
岡田朝ドラは、長期間にわたって時間軸が縦に流れていくから、演じる方はそう感じるんでしょうね。あと、丸山家の抜群のチームワークは、どうやって生みだされているのかについてもお聞きしたいのですが……。
串田なんでしょうねぇ? きっと、みんなが“その場で生まれること”を楽しんでいるのだと思います。
岡田なるほど。「おひさま」は本当に、いろんな人の力がうまい具合に重なっていますよね。脚本家としては、出演者の方が面白くてすてきな人ばかりだったので、書くうえでとても助けられました。さて、ここで串田さんに選んでいただいた、Elvis Presley(エルヴィス・プレスリー)の「Love Me Tender(ラブ・ミー・テンダー)」についてお伺いしたいのですが。
串田僕が中学・高校生だった1950年代は、まだTHE BEATLES(ザ・ビートルズ)が来日していなかったし、日本の歌謡曲にあまりなじめなかったこともあって、Elvis Presleyなどをよく聞いていました。実はこの曲をもとに『ラブミーテンダー』という舞台を作ったんですよ。音楽を聴いていると「こういう芝居を作ろう」って、インスピレーションがわくんです。
岡田そうなんですね。この曲は串田さんが14歳のときに発表されたものですが、そのころすでに演劇の道に進みたいと考えていたんですか?
串田いつそう決めたのか、はっきりとは覚えていないんだけれど。中学生のときは、おぼろげに「将来、演劇をやっていくのかなぁ」と思っていたかもしれないですね。
岡田当時の男の子が演劇の道に進むというのは、どのくらい異端な感じだったんですか?
串田異端すぎて楽だったかなぁ(笑)。みんな、演劇に対する概念をそれほどつかんでいなかったしね。自由にやっていたという感じでしたよ。
岡田でも俳優って、客観的に見ると大変そうですよね、人生として(笑)。
串田大変と思っちゃったらできないですね、きっと(笑)。
岡田ちなみに、串田さんは俳優業だけでなく、演出や脚本、音楽なども手がけていらっしゃいますが、どんないきさつでそのスタイルを作り上げたんですか?
串田事情がそうさせた、という感じですね。若いころは、俳優がいい!と思っていたんだけど……。人手が足りないからとか、予算がないからといった事情から、いろんなことを手がけるようになって。まぁ、楽しかったからやったんでしょうけど。だから根底には常に“俳優”という軸があって、すべてそこから派生している感じです。
岡田俳優ありき、ということなんですね。さて、そろそろ終わりの時間が近づいてきましたが……話し足りないです!
串田本当ですね(笑)。
岡田個人的に、このあと延長戦をやらせていただきたいくらい(笑)。とても楽しかったです。

 


「〈おひさま〉は、真の幸せは何かということを考えさせてくれるドラマ。出演できて本当によかったですね」(串田)

※放送の都合上、カットされた部分も含めて、ダイジェストで掲載しています。

串田さんが選曲した3曲
♪Love Me Tender(Elvis Presley)
♪あなたとならば(川畑文子)
♪KALASNJIKOV(Fanfare Ciocǎrlia)

収録後、岡田さんより。
串田さんは、僕にとって“マエストロ”のような存在。きょうはすてきなお話をたくさん聞くことができ、本当に楽しかったです。ご本人を前にすると、自分が道夫のセリフを書いていたことに対して、今更緊張しましたが……(笑)。でも、串田さんが道夫を演じてくださったおかげで、安心して脚本を書くことができました。感謝の気持ちでいっぱいです。

今週のON・AIRは
9/19(月)ラジオ第1 後9:05~9:55
9/23(金)NHK-FM 深夜1:00~1:50
ゲストは宮澤節子役・白川由美。

岡田惠和 今宵、ロックバーで
~ドラマな人々の音楽談義~
番組ホームページへ

「今宵、岡田さんと。」の連載は最終回となりますが、
「岡田惠和 今宵、ロックバーで」の放送は続きます。どうぞお楽しみに。

岡田惠和 メッセージ
 8月に「おひさま」の脚本をすべて書き終えて、ドラマの収録も終わり、打ち上げも終わり……そろそろ次の仕事のことを考えないといけないらしいのですが、全然ダメです(笑)。なかなか「おひさま」の余韻から抜け出せなくて。でも、この作品で現時点の“自己ベスト”を出せたのではないのかと感じています。おかげで、自分の引き出しの中は空っぽになってしまい、今はメモ帳に一文字書くのも嫌なくらい(笑)。本当に、自分にとって特別な作品になりました。
 「おひさま」の放送開始直前に、東日本大震災が起きて……脚本を書くうえで、その現実から気持ちを引き離すことができませんでした。それは僕だけでなく、役者や視聴者の皆さんも同じだと思うんです。みんなが“同じ空気”の中にいるというか。だから、今回は「受け取る側が、どんな気持ちでいるのか」ということを常に考えながら、執筆を進めていきました。正直言うと、この仕事は自分には重責すぎると感じ、しんどくなってしまった時期もありましたが、今は「おひさま」の脚本を担当できたことに感謝しています。
 そして何より、井上真央さんをはじめとする出演者の皆さんには、とても助けられました。自分としては「60点くらいかなぁ……」という回の脚本を、役者の皆さんが100点以上の出来にしてくれるんです。本当にありがたかった。役者さんへの絶対的な信頼があったからこそ、最後まで書ききることができたのだと思います。
 「おひさま」はあと少しで幕を閉じますが、陽子たちの人生はその後も続いていきます。見ている方々の心の中で、彼女たちが生き続けていってくれたら……そんな幸せなことはありません。

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